2009年4月1日水曜日

福沢諭吉

南京大虐殺を惹き起こした日本兵は、中国人をチャンコロと呼び、馬鹿にしていた。その背景には戦前から日本の新聞や言論界で活躍していた人の影響が大きいであろう。明治時代には、福沢諭吉がさかんに新聞や本などで持論を展開していた。

『未来をひらく歴史』(日・中・韓=共同編集 第2版)より
福沢諭吉(1834年~1901)-侵略を合理化した「文明論」
 近代の最初、日本人に世界の様子を伝えたのは、使節団の一員や留学生として欧米を体験してきた知識人たちでした。その代表が福沢諭吉です。彼は1875年に刊行した『文明論之概略』で、西洋は文明、アジアは半開、アフリカは野蛮だと書き、文明は野蛮から半開、半開から文明へと進むのだから、日本は西洋を手本に文明化をはかるべきだと強調しました。1881年には、日本はアジアの文明の中心、東洋のリーダーだから、アジアを保護しなければならない、朝鮮が文明化を受け入れなければ、強制的に文明化して、西洋の進出を食い止めなければならないと主張しています。
 しかし、朝鮮の甲申政変で開化派のクーデターが失敗に終わると、1885年、「脱亜論」という有名な論説を書きます。
 今後はアジアの文明化をすすめるのではなく、アジアと縁を切って、西洋諸国と同じような仕方でアジアの支配をすすめていこうというのです。そしてその10年後、日清戦争が起こると、これは文明(日本)と野蛮(中国)の戦いだと書きます。「文明」に対する見方が、福沢のアジアに対する視線を大きく左右していたのです。それは、近代日本のアジアに対する見方でもありました。


「この事実を・・・・」(「南京大虐殺」生存者証言集:侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館/編
            加藤 実/訳)
1、日本軍の狂暴な集団的虐殺
江辺、下関埠頭、挹江門、三汊河一帯での集団虐殺

曹永興(男、75歳)の証言
 私の家は旧から傳佐路20号でした。1937年12月に、日本兵がやってきた明くる日に、日本軍は私を捕まえ、大方巷の難民キャンプに送りましたが、その時捕まったのは千人か2千人でした。晩の5時ごろに、みんな下関の江辺まで連行し、機関銃6挺で掃射しました。私は人の群れにまぎれて長江に跳び込み、漂っている死人の堆に隠れていました。12時ごろに、日本兵が行ってしまったので、岸に這い上がって、警官1人と肉売りの若いの1人とを救って、一緒に劉家湾の方へ逃げました。やがて日本兵に見つかり、2人は前を歩いていて、撃ち殺されました。私は日本の将校に捕まってその世話をさせられ、それで幸いにも死を免れました(徐偉が記録)

    
「Imagine9」【合同出版】より



おたがいに戦争しないと


約束した世界



「相手が攻めてくるから、準備しなければならない」
 軍隊は、いつもそう言って大きくなってきました。でも、こちらが準備することで、相手はもっと不安に感じ、さらに軍備を増やしていきます。その結果、安全になるどころか、互いに危険がどんどん増えていきます。
 このような競争や衝突を避けるため、国々は「お互いに攻めない」という約束を結ぶ事ができます。
とくに、地域の中でこのような取り決めを行っているところは多く、ヨーロッパには「欧州安全保障・協力機構(OSCE)」が、東南アジアには「東南アジア諸国連合(ASEAN)」が、アフリカには「アフリカ聯合(AU)」が地域の平和のための枠組みとして存在します。

 日本を取り囲む東北アジア地域には、このような枠組みはありません。朝鮮半島は南と北に分断されており、中国と台湾は軍事的ににらみ合っています。日本では多くの人が「北朝鮮が怖い」と感じていますが、逆に朝鮮半島や中国の人たちの間では「日本の軍事化が怖い」という感情が高まっています。
 NGOは、「東北アジア地域に平和メカニズムをつくろう」と提案しています。
 その一つのアイデアは、東北アジアに「非核地帯」をつくることです。
日本や韓国、北朝鮮は核を持たないことを誓い、一方でアメリカ、中国、ロシアなどの核保有国はこれらの国に「核による攻撃や脅しをしない」という法的義務を負うような条約をつくるのです。すでにこのような非核地帯条約は南半球のほとんどにできており、最近では中央アジアにもできました。
 また、日本とロシアの間で争いになっている「北方領土」周辺に平和地帯をつくるとか、中国と台湾それぞれが軍備を減らし平和交流を増やすといった提案がなされています。



第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


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