2008年12月25日木曜日

1937年 南京 12月25日

「南京の真実」(ラーベ著:講談社)より
12月25日
 昨日の午後、日記を書いているとき、張と中国人の友だちがひっそりと小さなクリスマスツリーの飾り付けをしていた。そういえば以前、張はよくこれを手伝っていた。・・・・・・・
 ミルズが来て、見張りを交代してくれたので、私は彼の車でアメリカ人の家へ向かった。深い闇の中を。死体が転がっている道を。もう12日間も野ざらしになっている。
 仲間たちはひっそりと座っていた。みな物思いに沈んでいる。ツリーはない。ただ、暖炉の赤い小さな旗に、使用人たちのせめてもの心づかいが感じられた。私たちは難民登録というさしせまった問題について話し合った。心配でたまらない。
 難民は一人残らず登録して「良民証」を受け取らなければならないということだった。しかもそれを10日間で終わらせるという。そうはいっても、20万人もいるのだから大変だ。
 早くも、悲惨な情報が次々と寄せられている。登録の時、健康で屈強な男たちが大勢より分けられた(剔出)のだ。行き着く先は強制労働か、処刑だ。若い娘も選別された。兵隊用の大がかりな売春宿をつくろうというのだ。そういう情け容赦ない仕打ちを聞かされると、クリスマス気分などふきとんでしまう。

 半時間ほどして、悪臭がふんぷんたる道を戻る。だが私の小さな収容所には平和と安らぎがあった。見張りが12人、交代中で壁づたいに歩き回り、時々ささやきあっている。眠っている仲間を起こさないよう、ちょっとした合図をしたり、とぎれとぎれの言葉をかわすだけだ。ミルズは家に帰った。私もやっと眠れる。いつものように、そのまま飛び出せるかっこうだが。日本兵が入ってきたら、すぐに放り出さなければならない。だがありがたいことに、今晩は平穏無事だった。苦しそうな息づかいやいびきがほうぼうから聞こえてきて、なかなか寝つかれなかった。合間には病人の咳。


「南京事件の日々」(ヴォートリン著:大月書店)より
12月25日(土曜日)
クリスマスディナーの時にサール・ベイツが、「地獄のクリスマス」と題して記事を書いているところだ、と言った。実際のところ、この金陵女子文化学院ではそのようなことはない。このキャンパスは多少なりとも天国である。とはいえ、今年のクリスマスは、これまで金陵で経験したクリスマスとは確かに違う。
 昨夜も平穏な一夜だった。校門に警備兵が25人配置され、漢口路と寧海路を巡回してくれた。ここ何週もの間で初めて朝までぐっすり眠った。・・・・・・・

 出かけるさいに興味深い経験をした。校門を出ようとしたちょうどその時、1人の女性がやってきて、娘を救出してほしい、ついさっき家から連れ去られた、と懇願した。彼女が指し示したとおり上海路を大急ぎで南へ向かったところ、兵士たちは進路を北に変えた、と言われた。北へ向かって行こうとしたちょうどその時、車に乗っているミルズを見かけたので停車してもらい、母親、ブランチともども乗り込んだ。まもなく、兵士2人が少女を連れて歩いているところを見かけた。少女は私の姿を見るやいなや、引き返してきて助けを求め、そして母親の姿が目に入ると、飛び込むように車に乗った。兵士は事態に気づくと、私たちが無礼を働いた、としつこく言い張り、ミルズの席に座ったまま、どうしても車から降りようとしなかった。英語が多少わかる将校が通りかかったが、彼は、不必要と思われるくらい丁寧な態度でくだんの兵士に車から降りてもらうと、私たちを通してくれた。ただし、私たちが少女を連れ出したのが悪かった、とミルズが言ったことで、ようやく通してくれたのだ。・・・・・・・・

 今夜は警備兵はいない。大使館から警官1名が派遣された。日本兵は城外へ撤収しているところだ。M.S.ベイツによれば、女性の拉致に関するかぎり、金陵大学では不運な1日であったようだが、女子学院の避難民のなかには自宅に帰るものも出てきている。

「Imagine9」【合同出版】より


世界は、

9条をえらび始めた。


・平和が武器によってつくられるものではないということに世界中の国が気づき、すべての国が憲法9条をもつようになることを願ってます。(オーストラリア、20代・女性)

・このグローバル9条キャンペーンに非常に感動しました。憲法9条を維持しようというこの草の根運動には、日本がアジアとの関係に誠意を持って向かっている姿勢がうかがえます。このキャンペーンに多くの日本人が賛同し、成功することを望みます。がんばってください!(韓国、30代・男性)

・憲法9条に賛同します。このような憲法があることで、私たちは、戦争のもついかなる攻撃性に対して共に、立ち上がるような地域社会の結びつきを強くしていくことができると思います。私たち一人ひとりのの協力こそが、最高の平和の武器だと思います。(ベルギー、50代・男性)

・日本のような歴史を持つ国が、憲法9条を広めようという行動をとることは、世界のほかの国々にとっての模範です。ほかの国々もそれに続くことを祈って。私たちに必要なことは平和への挑戦です。
(コスタリカ、20代・女性)

・日本国憲法第9条の改定に反対です。(ロシア、20代・男性)



第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


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