2009年3月25日水曜日

南京大虐殺 and IMAGINE 9

「南京事件」(笠原著:岩波新書)より
 結びにかえてー今問われているのは何か(この本は1999年版です。)
国民が裁いてきた南京事件
戦後の西ドイツの政府と国民がナチスの戦争犯罪を追及し、裁いたように、戦後日本において、政府と国民が戦争責任を追求する国民運動を展開していれば、そうした南京事件の全貌と責任者の解明も可能であったと思われるが、日本政府ならびに国民はそれを回避してしまった。そのこともあって、東京裁判と南京軍事法廷で裁かれた南京事件の事実に対する歴史認識は、多くの日本国民には定着しなかった。
 戦後の日本政府は、西ドイツと違って、事実を解明し、その責任を問うということを回避したばかりでなく、逆に、80年代になると文部省は教科書検定において、日本軍の組織的行為であると記述した家永三郎著『新日本史』の南京大虐殺記述の書き替えまでも強要した。
 こうした日本政府の無責任な対応に対して、国民の側が南京事件を裁こうとした裁判が、家永教科書裁判であった。
 家永教科書裁判は、歴史教科書における南京事件の記述をめぐる裁判であっただけでなく、日本国民の南京事件の事実認識が問われた裁判でもあった。その証左が、裁判の審理と並行するかたちで、事実をめぐる「南京大虐殺論争」が展開されたことである。その意味では、家永教科書裁判は、日本国民の南京事件認識を裁いたものであったということができる。
 南京事件から60年目にあたる1997年8月29日、最高裁は32年間にわたった家永教科書訴訟にたいする判決を言い渡し、事件をめぐる文部省の教科書検定が違法であったことが最終的に確定された(南京事件をめぐる教科書裁判の経緯は、教科書検定訴訟を支援する全国連絡会編『家永教科書裁判・第三次訴訟地裁編4 南京大虐殺、731部隊』および同編『家永教科書裁判・第三次訴訟高裁編2 南京大虐殺、朝鮮人民の抵抗、731部隊』を参照されたい)。「南京大虐殺論争」も学問的にはすでに結着がつき、政治的な意図から南京事件の事実を否定しようとする一部の人たちを除けば、歴史事実そのものは否定できなくなった。中学校や高校の歴史教科書の南京事件記述も最近はだいぶ改善されてきている。
 今後の日本国民に求められているのは、センセーショナルな論争から脱却して、歴史事実とその全体像を冷静に認識していくことであるように思う。・・・・・・・

    
「この事実を・・・・」(「南京大虐殺」生存者証言集:侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館/編
            加藤 実/訳)
1、日本軍の狂暴な集団的虐殺
燕子磯、草鞋峡、煤炭港、幕府山一帯での集団虐殺(1984年と1990年に証言収録)

史栄禄(男、69歳)の証言
 私は史栄禄と言います。私の兄は史栄銘と言い、今年72歳です。私たち2人は日本軍が大○史でやった集団虐殺の証人です。「大○子」とは、土地の人が「史家大○子」とも呼んでいた、幅7メートル、深さ7メートルもの大きな巣で、今の棲霞区建築公司の採石場の近くにありました。
 1937年に、日本が南京を侵略した時、私は避難しに江北の方へ逃げました。やがて食べる米が無くなり、又米を取りに長江を渡ってきていました。ところがその後、日本兵が長江を封鎖したため、もう江北へは行かれなくなってしまい、家で隠れているしかありませんでした。12月のある日、私は日本兵がたくさんの「中央軍」と普通の平民とを下流の笆斗山から追い立てて老虎山の下の大○子に集めてきているのをこの目で見ました。あの長江の2百ムー(畝)もの浅瀬に、武装解除された「中央軍」と無辜の民衆とがびっしり詰まったのです。日本兵は外側にいる「中央軍」のゲートルをはずさせ、そのゲートルをまた結びつけさせて、逃げ出すのを防止したのです。それから、彼らは日の丸の旗が挙がるのを合図に、機関銃三挺で、右へ左へ交差させつつ掃射し、身に寸鉄を帯びていない「中央軍」と無辜の者とを全部射殺したのです。死なないのは、日本兵が銃剣で突き刺したのです。翌日にも日本兵は追い立てを続け、中国人を大○子の後ろに追いやり、初めの日に殺した死体を長江まで運ばせて捨てさせ、それから又その中国人を掃射したのです。こうして3日続けて虐殺し、銃殺された「中央軍」と無辜の者たちはおよそ2万人余りにもなったのです。(劉虎と姜秀華が記録)

     

「Imagine9」【合同出版】より



想像してごらん、


9条がゆきわたった世界を。



Imagine,

A world filled with 

Article 9.



憲法9条は、日本という「国」のものではありません。
日本に住んでいる「人々」、つまりみなさん自身のものです。
そしてそれは、日本国民にとってだけではなく、すべての人類にとって重要なのです。
(アメリカ/男性)



第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


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