2021年3月25日木曜日

慰安婦訴訟4月に判決へ、韓国 裁判所、日本政府に賠償請求

 


慰安婦訴訟4月に判決へ、韓国 裁判所、日本政府に賠償請求

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共同通信

日本軍「慰安婦」被害者の歴史的な勝利:普遍的に人権に基づいた普遍的な判決



 李相姫(イ・サンヒ、弁護士、草の家会員)

翻訳:金英丸(韓国NGO民族問題研究所対外協力室長、草の家会員)

 

2021年1月8日、ソウル中央地方裁判所では、日本軍「慰安婦」制度について日本国が犯した不法行為の責任を認め、元日本軍「慰安婦」被害者たちに損害賠償を命じる判決が下されました。今回の判決を通じて、反人道的犯罪や重大な人権侵害を犯したいかなる国家も、その責任から自由になれないという原則が明言されました。今回の判決は、日本軍「慰安婦」被害者たちが、30年以上の闘いを通して、成し遂げた結実であり、被害者たちが全ての人類に残した大切な宝でもあります。そして、判決は世界人権の歴史に新しく記録されなければならない「マグナ・カルタ」です。

日本軍「慰安婦」被害者たちは、30年余り人間としての尊厳を取り戻すために闘い続けてきました。被害者たちは、私たちに戦争犯罪や反人道的犯罪に対して「謝罪とは何か」という質問を投げ続けてきました。この質問は、戦争犯罪や公権力の重大な人権侵害に対する加害国の責任を問うことでもあります。被害者たちは30年以上、日本政府に対して、事実の認定、真相究明、公式謝罪、法的賠償、歴史教育、追悼碑と史料館の建設、責任者処罰を主張してきました。

2005年、国連は人権侵害を受けた被害者に対して国家が保障すべき最小限の権利を提示しました。ここには被害者が実効的に救済されることができる権利として、司法に対する権利(right to justice)、賠償を受ける権利、そして真実を知る権利が含まれています。これらの権利は、相互補完的な関係にあります。すなわち、事実の認定がない賠償や謝罪も、謝罪がない事実の認定や賠償もありえません。その意味で、2015年の「慰安婦」問題に関する日韓合意は、「慰安婦」問題に関する解決になれません。日本政府は、2015日韓合意において、被害事実を認めることもなく、不法行為の責任も認めませんでした。合意の直後、安倍総理は、参議院で「戦争犯罪を認めたことではない」と発言しました。そして、岸田外相も「性奴隷」は事実に反し、強制連行は確認できないと「慰安婦」の被害事実を認めませんでした。

被害者たちは「外交」や「安全保障」で代弁された国家中心の国際法の秩序に挑戦し、亀裂を加えました。そして、国際秩序の重心を「国家から人間へ」と移させるために絶えることなく闘ってきました。今回の訴訟もその闘いの一環です。

被害者たちは、日本帝国による植民地体制の下で、日本軍「慰安婦」として深刻な人権侵害を受けました。そして、人権を取り戻す過程においても、「日韓関係」、あるいは「日米韓関係」の中で声を抑圧されました。今回の訴訟において、日本政府は、「主権国家(日本)は、他の国(大韓民国)の法廷で裁判を受けない」という国家免除理論を主張し、訴訟の過程に一切参加しませんでした。しかし、被害者たちは、譲ることのできない人権の主体であることを明らかにするために、この訴訟を起こしたのです。

ここで大事なのは、被害者の損害賠償請求権の実現が、単にお金を受け取るという意味ではなく、さらに持続的に侵害された人間としての尊厳や価値及び身体の自由を、事後的に取り戻すという意味を持つということです。

今回の判決は日本軍「慰安婦」問題に限られるのでなく、普遍的人権に関する問題です。伝統的な国際法の秩序では、普遍的人権の価値が国益という名分によって後回しされました。しかし、反人道的犯罪や重大な人権侵害事件に対して、これ以上国益を理由に人権を犠牲にさせないという宣言でもあります。今回の判決が、死んだ文字だけとして残るか、あるいは日本軍「慰安婦」問題をはじめ、いまも全世界で起こっている戦争犯罪の現場において、「マグナ・カルタ」として、その役割を果たすかは、私たちの取り組みにかかっています。いまも、世界のどこかで起こっている戦争犯罪の被害者たちに灯になれる、この判決の意味を生かすこと、それが私たちが被害者の最後の叫びに答える道だと思います。

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