「南京事件」(笠原著:岩波新書)より
1938年1月5日に、「査問工作」を打ち切った佐々木到一城内粛清委員長は、その成果をこう記す。
1月5日 査問会打ち切り、この日までに城内より摘出せし敗兵約2000、旧外交部に収容、外国宣教師の手中にありし支那傷病兵を俘虜として収容。
城外近郊にあって不逞行為を続けつつある敗残兵も逐次捕縛、下関(シャーカン)において処分せるもの数千に達す。
(「佐々木 到一少将私記」)
年末から新年にかけて実施された「敗残兵狩り」によって、少なくとも数千の男子、それも元兵士の嫌疑をかけられた一般住民が多く虐殺されたのである。南京の近郊区から千単位の男子を敗残兵として連行して下関で処刑したことが記されているが、県城や村においても「敗残兵狩り」の名による虐殺、強姦、放火が行われたのだった。
「南京の真実」(ラーベ著:講談社)より
1月5日
わがジーメンス・キャンプは他の収容所からあまり芳しくない評判をとっている。韓がちょっぴり余計に米を配るからだ。・・・・・・・
いくらなんでも500平方メートルの庭に602人は狭すぎるので、難民を一部、他の収容所に移そうとしたがうまくいかなかった。ここだけが安全だと思っているので、誰も出たがらない。・・・・・
衛生状態が気になる。これについては私もどうしていいのかわからない。伝染病が拡がらないといいが。今日の昼までは水が出たのだが、午後になって止まってしまった。電気はまだつかない。それなのに、近所ではいまだに家が燃えている。
登録はまだ終わっていない。何万人もの女の人が乳飲み子を抱えて5列に並んだまま、人によっては6時間も外で待たされている。果てしなく長い行列だ。この厳しい寒さの中、一体どうやって耐えているのかと思う。
またもや漢中門が閉まっている。昨日は開いていたのに。クレーガーの話では、門のそばの干上がった側溝に300ほどの死体が横たわっているそうだ。機関銃で殺された民間人たちだ。日本軍は我々外国人を城外の外に出したがらない。南京の実態がばらされたら困るからな。
「南京事件の日々」(ヴォートリン著:大月書店)より
1月5日 水曜日
登録業務のため、今朝は7時30分に(通常は8時)に朝食をとった。中国人警官と立ち話をしていると、8時30分までに5000人ないし10000人の女性が私の前をひっきりなしに通り過ぎて行った。なんと哀れな光景だったことか。女性たちは、たいてい4人1組でやってきた。というのも、後のち、その隊形で行進させられるからだ。通達では、30歳までの女性だけ、となっていたにもかかわらず、高齢者が大勢いた。・・・・・・・
9時には役人の車が到着したものの、驚いたことに、女性たちは、登録を受け付けてもらうどころか、誰も登録するには及ばないと言われ、重い足取りで家路についた。朝4時から並んで待っていた者もいる、と門衛から聞かされた。・・・・・・・
状況がいくらか良くなり、緊張がゆるんできている。その証拠に、私たちの仕事を支えてくれている程先生、ブランチ呉さん、王さんの3人が午後風邪と疲労で寝込んでいる。しかし、安全区の状況は依然としてあまりよくない。
午後、P.ミルズが、昨夜強姦されたという56歳の女性を戸部街から連れてきた。
夜、男性がキャンパスに避難している娘に食べ物を差し入れたい、と言ってきた。ここには男性を入れることはできないと言うと、「私には今は娘しか残っていない。3日前の夜、安全区内で妻が抵抗して大声を出したら、銃剣で胸を突き刺され、その上、幼い子どもは窓から放り出されてしまった」と訴えた。これも午後のことだった。私が執務室にいると、新婚18日目の若い花嫁が、夫を捜す手伝いをしてもらえないか、と言ってきた。彼は何の罪もない洋服の仕立て屋で、12月15日、家から連れ去られたまま戻ってこない、というのだ。さらに別の新婚2ヶ月の若い花嫁がやってきて、12月16日に夫が連れ去られたと話し、私に援助を求めた。いずれの場合も夫は兵士ではなかったが、戻ってくる見込みはほとんどないのではないかと思う。当初のあの狂乱の時期には多くの若者が銃殺されたからだ。前者は10家族を、後者は8人家族を扶養する一家の柱であった。このような悲話が絶えず耳に入ってくる。
5時から6時までの間に、王さんと一緒に日本大使館へ出かけた。大使館の警官を引き続き毎晩校門に配置するよう要請するためだ。警官がいてくれるのはとても助かる。
「Imagine9」【合同出版】より
想像してごらん、
女性たちが
平和をつくる世界を。
Imagine,
A world where
women create peace.
戦争は、子どもや夫が戦いにいくことを女性が認めない限り起こりません。
女たちは、一歩前へ踏み出し、男たちを含むあらゆる人間の産みの親として、
地球とそこに生きるすべてのものたちの世話役として、破壊をやめさせる責任を
果たす事ができます。
(アメリカ/先住民女性)
第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
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