2009年1月12日月曜日

1938年 南京 1月12日

「南京の真実」(ラーベ著:講談社)より
1月12日
 南京が日本人の手に渡って今日で1ヶ月。私の家から約50メートルほど離れた道路には、竹の担架に縛り付けられた中国兵の死体がいまだに転がっている。
 ドイツ、アメリカ、イギリスの大使館を訪ねて、昨日の家捜しを報告し、ローゼン、アリソン氏、プリドー=ブリュン各氏と相談した。この件について、全員の意見が一致した。すなわち、日本の警察は、外国人の建物に入る時には、その国の大使館へ事前に連絡するか、もしくはその国の大使館員を同伴する義務がある、ということだ。

 こうしている間に、米の販売が全面的に中断されてしまった!米だけではない、石炭も安全区に運び込めなくなった。日本軍は塀に貼り紙をして、自分の住居に戻れといっている。肝心の家が焼き払われたり略奪にあったりしていることなんか、てんでおかまいなしなのだ。
 日本人と友好的にやっていくにはどうするかとあれこれ考えた末、あることを思いついた。・・・・・・


「南京事件の日々」(ヴォートリン著:大月書店)より
1月12日  水曜日
 とても寒くなった。雪が降ってきそうだ。できることなら何としても、建物の裏の(一語欠落「汚物」か?)をきれいに片付けてもらいたい。雪で散らばってしまうだけだろうから。あいにく、どこへ行っても石灰が手に入らないので、消毒薬としてそれが使えない。私たちが掘った穴に避難民全員の汚物桶を空けさせるのは無理だった。米飯の配給はキャンパスの外で毎日2回行われているし、登録業務も中止されているので、学院の使用人たちは、これまでよりも多少掃除の時間に余裕がある。・・・・

 10時から12時まで王さんは文科棟の来客室で、夫や息子がいまだに行方不明の女性たちから事情を聴取していた。午後、この情報を福田氏に届けた。彼なら何かできると期待することにしよう。無料で米がもらえる赤色の配給券をほしがる人が増えてきている。一つには、人々が持ち金を使い果たしてしまったからであり、また一つには、貧しい人々が入ってきているからである。夜具をほしがっている人も大勢いる。
 午後、王さん、・・さん、夏さん、張さん、それに私とで、アメリカンースクールの北にある寺院に出かけた。彼らや学院が使用する米を手に入れることができるかどうかを知るためだ。米は入手できたが、それを運ぶ手段がなかった。雑踏する上海路を戻ってくると、大勢の露天商人が道端で盗品を売っているのが目に入った。・・・・・・

 あらゆる無法分子が活動しているが、何の規制もない。当然ながら、南京に残留している中国人警官は少数で、権限を持っておらず、また、数少ない日本の憲兵も、自国の兵士を取り締まることができないのに、ましてや「老百姓」(庶民)を取り締まることなどできるわけがない。多くの人々は、まだ安全になっていないのに、安全区から出て帰宅をしている。そうでもしなければ、家の構造部材、扉、窓、床板を盗まれてしまうからである。
 今日は程先生、F.陳さん、メリー・トゥワイネンが風邪で寝込んでいる。誰もが働きすぎで、緊張が激しい。・・・・・・・・・・・・・・・・・



「Imagine9」【合同出版】より


軍隊のお金を

みんなの暮らしのために使う世界


 世界中の政府は、2000年に、貧困をなくすための一連の目標に合意しました。国連の「ミレニアム開発目標」と呼ばれるもので、2015年までに次のような目標を達成するとしています。

●極端な貧困や飢餓をなくす(1日1ドル以下で暮らす人を半減する)。
●すべての子どもたちが、女の子でも男の子でも差別なく、学校に行けるようにする。
●赤ちゃんが栄養失調で命を落としたり、お母さんが出産時に亡くなってしまうことを防ぐ。
●HIV(エイズ)、マラリアなどの感染症の広がりを止める。


 こうした目標を達成するためには、世界的に軍事費を減らし、人々の暮らしや発展のためにお金を回すことが不可欠です。
 国連憲章には、「世界各国は軍事費に回すお金や資源を最小限にしなければならない」(第26条)と書かれています。世界のNGO(非政府組織)は、この国連憲章26条を今こそ実行し「軍事を減らして人々の発展に回そう」という運動を始めています。そうした世界の人々の中からは「国連憲章26条と日本国憲法9条は、同じ目標のための双子のようなものだ。ともに発展させよう」という声が上がっているのです。


第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


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