2019年7月9日火曜日

ソビエト連邦、中華人民共和国とハバロフスク裁判の忘却 1949-1956


「15年戦争と日本の医学医療研究会」からの転載です。

15年戦争と日本の医学医療研究会

2000年6月17日創立


第45回定例研究会(公開)のご案内

日時 2019年3月24日(日)11:00~17:30
会場 京都大学医学部構内 医学部先端科学研究棟1階セミナー室(大)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_i.html (地図上の16番の建物)
資料代 1000円
11:00~13:00

特別講演
ソビエト連邦、中華人民共和国とハバロフスク裁判の忘却 1949-1956
講師: リー・シェンジェ(シンガポール出身フリージャーナリスト)

講演要旨
戦時日本の細菌兵器部隊である731部隊の存在は、中国国内ではいまだに非難の対象となっているが、日本ではすでに事実上忘れ去られている。この忘却は、1949年に731部隊の活動を初めて明るみに出した、当時のソビエト連邦でおこなわれた軍事法廷であるハバロフスク裁判が、アメリカ軍によって隠蔽されたためであると、多くの学者が説いている。
本講演では、日本の新聞記事の他に人民日報、イギリスの外交文書、さらにロシアの公文書資料の切り抜きを基に、ハバロフスク裁判の忘却とは「能動的な忘却」と「受動的な忘却」の結果によるものであることを述べる。
また、シベリアに抑留されていた日本兵の証言と、1950-1956年にソビエトと中国で起きた日本の戦争犯罪に対する政策の変化の観点から、ハバロフスク裁判がどのようにして忘れ去られたのかを描き、それがいかに今日の日本と東アジア諸国との和解を困難にしているかを述べる。

講師略歴 
2011年 LIANAIN FILMSに入り、中国広東省の烏坎(うかん)事件、香港の2014年香港反政府デモ、ケニヤの象牙密輸などのドキュメンタリーを作製、2012年 早稲田大学政治経済学部に入学、2016年 卒業、東京のインターネット通信販売会社に入社、2017年 友人とアプリ開発会社を創設、LIANAIN FILMSのリサーチも継続

14:00~15:00 第19回会務総会

15:10~17:30 一般演題

1. 優生保護法強制手術に見る宮城県の状況と背景―検証する視点の模索 村口 至(坂総合病院)

2. 日中、太平洋戦争ー軍部衛生部に組み込まれていった医学生、医師たち 莇昭三(城北病院)

3. 「留守名簿」石川県内48件の訪問調査の報告   池田治夫(戦医研北陸支部)

4. 京都大学による旧満洲第731部隊軍医将校の学位授与の検証   西山勝夫(滋賀医科大学)

問合せ先 warandmedicine @ aol.com








大学や研究機関の科学者は軍事研究に関わってはならない(声明、pdfはこちら) 

防衛省は昨年度から、「安全保障技術研究推進制度」を発足させ、武器の開発などの軍事研究をしてくれる大学などの研究者に資金を提供し始めています。国から出される研究費の運営費交付金が年々削減されているため、外部からの資金を導入せざるを得ない状況が進み、その中には防衛省からの研究費を利用して軍事研究に手を染めてしまう研究者が出てきています。この安全保障技術研究推進制度での研究資金は、昨年度3億円、今年度6億円でしたが、来年度は110億円にも膨れ上がることが予想され、個々の研究者に億単位の研究費の提供が可能となり、研究者を「魅惑」しています。

一方、日本の科学者を代表する公的機関の日本学術会議は、先の戦争で科学者が軍事研究に動員され戦争に加担してしまったことへの反省から、戦争の放棄を掲げる日本国憲法の精神に則り、科学者は二度と戦争に加担してはならないとして、1950年、1967年の2度にわたって「日本の科学者は軍事研究に関わらない」とする声明を出しています。ところが、日本学術会議大西会長が「個別的自衛権のための基礎研究なら許される」との私的見解を述べたことから問題となり、日本学術会議内に検討委員会を設け、来春にその検討結果の発表が予定されています。

大学や研究所の研究者が防衛省との軍学共同に参加する動きと合わせ、日本学術会議会長の軍事研究容認の発言に驚き、危機を感じた多くの科学者が「軍学共同反対連絡会」を結成し、大学や研究機関などの科学者が軍事研究に参加することに反対する声を出してきています。

ところで、先の戦争で日本の医学者・医師は、軍に協力して旧日本軍731部隊などで非人道的な細菌兵器開発のための研究を進め、多くの他国民を虐殺してしまいました。その戦争医学犯罪に加担した医学者・医師も日本国政府もその詳細を明らかにしようとしない中で、我々15年戦争と日本医学医療研究会は、先の戦争で先輩たちが犯した侵略戦争加担、非人道的研究の反省として、その実態を検証し、科学者の戦争への加担や軍事研究の危険性を明らかにし続けております。したがってそのことを踏まえ、15年戦争と日本の医学医療研究会は、大学や研究機関などの科学者は軍事研究に関わってはならないと考えるものです。

2016年11月23日
15年戦争と日本の医学医療研究会幹事会

日本学術会議の議事録に関する声明(2016年11月23日)

国立公文書館における公文書の公開に関する声明(2016年11月23日)

秘密保護法案強行採決の暴挙に強く抗議し、その廃止を求めます(決議)(2013年12月8日)




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