2026年2月7日土曜日

ブックレット「台湾有事」を起こさせないために

 

ブックレット「台湾有事」を起こさせないために
(日中友好協会編
2024年11月)

 

安保法制下、中国脅威論が煽られ、南西諸島をは じめに自衛隊ミサイル基地が次々建設され、日米共同訓練が繰り返されている。昨年11月の高市発言で日中両国間の緊張は一気に高まった。本書は、協会の2023年と24年の台湾問題を考える学習企画での、5人の研究者の報告をもとに構成され、課題を深く掘り下げ、確かな認識を持つための視点をそれぞれ提示している。 一つは、近代以降の、日本の、中国、台湾、琉球・沖縄に対する戦争による支配拡大の歴史から知ることが重要であるということ。1871年、台湾に漂着した琉球船員が原住民に殺された”牡丹社事件”をきっかけに、1874年、日本は台湾に出兵、琉球民は日本国民であることを清国に認めさせ、その後、琉球藩を武力で接収、沖縄県を設置した。その後、1895年から50年間の日本の台湾統治が続く。そして、1945年に日本がポツダム宣言を受諾し日本の領土が確定すると、これ以降の台湾問題は中国の国内問題となる。

(第1章) もう一つは、現地に暮らす人びとの立場で物事を捉えていくことが大切であるということ。かつて台湾 を中国から奪い支配したのは日本である。しかし、沖縄に対して、戦争末期に地上戦を強い、戦後講和条約で切り捨て、返還後も基地撤去を求める声を無視し続けてきたのは、やはり本土日本である。これを自分たちの問題として考えていけるかが問われている。沖縄の人びとは古くから台湾の人びととも交流がある。国境に暮らす人たちは軍事的対立を求めてはいない。南西諸島の軍事要塞化によって、一番平和が脅かされているのは、沖縄の人びとなのである。

(第4章・第5章) さらに、中国は台湾との平和的統一の青写真を持っていることが紹介されている。それは「共同生活圏構想」 として、既に福建省海岸部に新モデル地区の建設がスタートしている。中国は台湾をリスペクトしているのである。(第3章) 台湾の人びとの多くは現状維持を望んでいる。 「台湾有事」 は、アメリカ政府が 「一つの中国」の変更を狙って持ち出してきたことである。今、トランプ政権は対中、対日政策にこれまでとは異なる動きを見せている。これに応えて日本は今後も軍拡路線 の更なる拡大を続けていくのか。 緊迫した情勢が続く今、 本書を読み、意見や感想を交流し、今後開催予定の学習会に参加するなどして、指針となる学びを深めていく時である。 (芝沼) * ブックレットの問合せ 中道(042-664-5980) 定価 700円 (税込)

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